La vie en rose ・・・ 歌うこと・生きること・楽しむこと


ソプラノ歌手の森朱美。13歳と10歳の2児の母でもあります。人生最後の日に「La vie en rose!」といえるようになれたら・・・と日々奮闘中!
by moriake
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カテゴリ:音楽のこと( 6 )

プーランクとヴェルディ

今回のテーマは・・・オペラ!
記念年に相応しくまずはこの方イタリアの巨匠ヴェルディ!
そしてもう一方は・・・
残念!ワーグナーではありませ~ん!
没後50年フランス代表フランシス・プーランク!

先日親愛なるプーランクのオペラ「カルメル派修道女の対話」を聴きに行きました。
東京シティフィルの定期公演で演奏会形式ではありましたが、全曲版を楽しめる貴重な機会でした。

とはいうものの・・・

彼のこの作品は世の中に星の数ほどあるオペラの中でも最も深刻で重いテーマを持っています。
ですからいつも客席に座るたびに、すーすーしてくる首周りをさすりながら「また来ちゃった~。」と思います(笑)
フランス革命後の1793年7月17日に革命広場で行われた死刑でギロチンに掛けられた16人の修道女のお話だからです。因みにオペラで有名な詩人アンドレアシェニエは25日だったそう・・・涙。

なのに度々足を運んでしまうのは・・・なんだかんだ言って音楽が好きなんです。
彼の次作のオペラ作品となるモノオペラ「人間の声」で更に輝きを増す独特な旋律モチーフが散りばめられていて兎に角たまらなく美しい・・・しかし一転!前修道院長の臨終の場面の壮絶さ!信仰の極みを尽くした院長が「死が怖い~!」と猛獣の如く取り乱すシーンは見てはいけないものを見てしまった感じ・・・終幕の「サ~ルヴェレジ~ナ~~」の祈りが始まると胸が苦しくて目を開けていられません。そして「シャーーッ!」という恐怖の刃音。カトリック信者ではない私がえぐられるような哀しみになるのですから、初演当時のヨーロッパでどんなに大きな反響があったか想像できます。

プーランク渾身のこのオペラ、ミラノの出版社リコルディの依頼によって動き出しました。
台本となったベルナノス作の戯曲「カルメル派修道女の対話」を手にした時、彼はむさぼる様にページをめくってこう言ったそうです。「これこそ私にぴったりだ!」と。彼はこう見えて(どう見えて?)楽しい音楽でパリジャン的な洒落者の一面もありますがカトリック教徒で沢山の宗教曲の傑作を残しています。

それから2年間修道女たちに憑りつかれたように仕事に没頭し、1957年にミラノ・スカラ座でイタリア語版を初演。それが大当たり!数か月遅れてパリ・オペラ座にてオリジナルのフランス語版を初演しました。3管編成による大規模なオペラです。その後相次いでドイツ、イギリス、スペイン、スイス・・・各国で上演され大喝采を浴びた歴史をみると、この作品の凄さが分かります。

音楽は前作「ティレジアスの乳房」とは打って変わって大変デリケートで抒情的。ときに官能的過ぎやしないかと思わせるほどの色彩豊かなオーケストレーション。完璧な朗唱法(デクラマシヨン)・・・これはオペラではとても大事です。芝居のセリフにどんなメロディーをつけるか?という事です。


おっとっとっと・・・

この辺でプーランクを終わりにしないと先に行けません。
プーランクが如何に魅力的な作曲家であるかという事はのちのち・・・
箸休めに・・・15年ほど前パリのオートゥイユ界隈のマルシェの古本屋で偶然見つけた私のお宝を紹介!
オペラの台本となったベルナノスの戯曲本です。挿絵がとても渋い!(写真が大きすぎてすみません!小さくしたいのに出来ない・・・)
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さて・・・ジュゼッペ・ヴェルディは言わずと知れたオペラ界の巨匠です!
有名人なので私の解説は端折りまして。

先日生誕200年記念ガラコンサート@文京シビックホールに行って参りました!
こちらもオーケスラ伴奏で演奏会形式(合唱付き)。ただこちらは彼のオペラ作品の中から名場面のみを演奏するコンサートでしたので、個々の作品についてというよりヴェルディのオペラの魅力ってなんだろう?としみじみ味わう時間となりました。初期の作品から今回は「オテッロ」まで。プログラムを辿ると音楽と様式の変化が手に取る様にわかります。もっとも有名な「椿姫ラ・トラヴィアータ」や「リゴレット」は前期「ドンカルロ」「アイーダ」は後期の目玉!

オペラの歴史を見るとイタリアとフランスは昔から度々どちらの国のオペラの方が優れているかと争っていましたが、パリはイタリアの最新流行をいち早く紹介したのでフランスの作曲家はイタリアオペラから多くを学んでいます。イタリアオペラのみを上演する劇場「イタリア座」が「オペラ座」の人気をすっかり奪った時代もありました。オペラ座の低迷期を救ったのはロッシーニですし。ピアノの貴公子ショパンはパリでイタリアのベルカントオペラにすっかりハマった一人。その歴史に燦然と輝くのがヴェルディです。
そういえば先日の「ハムレット」というオペラはヴェルディの「ドンカルロ」のパリ初演後、間もなくの初演ですから具体的に多くの影響を受けていると思われます。(余談ですが、今回のドンカルロの演奏が始まるや否や隣席の娘がここハムレットと同じ!って呟いた・・・オヌシなかなかな奴!)

で、ヴェルディよりも後の時代に生きたプーランクはどういう立ち位置かと申しますと・・・
ドビュッシーが到達したフランスオペラの極みを受け継ぎつつ新たな輝きを与えた作曲家といったところでしょうか。(まとめ過ぎ・・・汗)

ドビュッシーは従来のオペラのカンタービレ(よく歌ってという意味)を一切排除し、セリフを語るように歌うべき旋律を書きました。その緻密さは半端ない!歌手は決して声を張り上げ朗々とて歌ってはいけません。言葉のニュアンスを的確に表現したときにだけドビュッシーのオーケストラと溶け合い歌がドラマになります。

ここだけ読むと「イタリアオペラを否定しているのか!」とムッとされる方もおいでかと・・・汗。

確かにヴェルディのオペラでは見せ場の高音で美しい声を長~~く伸ばしたり、装飾的な旋律を歌う場面がたくさんあります。初期の作品などはドラマと照らし合わせると「なんでこんなにポップな伴奏になっちゃうのかしら?」って時もありますが、彼はイタリア語の朗唱法を極めた名人です。なんといってもメロディメーカー!そしてドラマメーカーです!感動させる術を知っているし、ヴェルディの音楽を自在に操れたなら歌手冥利に尽きると言いきれるほど魅力的です。

プーランクはフランス語を全く歪めることなく音楽にしましたが、何よりも歌手の声の響き方を考えて作曲していたそうです。歌を愛してたのですね。まずは声ありき!高音は響きやすい母音にしなくては!と友人への手紙に書いています。プーランクの歌は常にカンタービレ!これで声に厳しいスカラの聴衆を唸らせた訳がわかります!

今回2つの公演を見て・・・
ヴェルディにはヴェルディの音楽に相応しい声!プーランクにはプーランクの音楽に相応しい声がある!とあらためて感じました。それぞれの音楽やドラマにマッチした声を持ち、更にスタイルにあった表現方法を身につけている歌手により作品が輝くものになるのだと。今回の2つの公演は日本人歌手によるものでしたが、素晴らしいキャスティングでした。

東西オペラ界の最高峰!ヴェルディとプーランクのお話でした!
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by moriake | 2013-10-29 22:58 | 音楽のこと

メロディ

季節は秋になりました
ありえない猛暑が続いても
秋は秋!
私の食欲が季節を教えてくれます!

日頃の小さな出来事はFACEBOOKで済ませこちらはすっかりご無沙汰してしまいました

私は元気です!
今はオペラから一転!フランス歌曲に浸かる日々を送っております

詩と音楽の世界を行ったり来たりするのは実に楽しい!
甘いものとお煎餅を交互に食べるのに似ています・・・笑
歌曲の世界は難しそう・・・詩や思想が分からなきゃ楽しめないんじゃない?
と思ってるあなた?!大丈夫ですよっ!
この私が楽しめるんですから・・・笑
大学3年20歳の春からこの世界にのめり込みはや〇〇年・・・
まだまだ「恋とはどんなものかしらbyケルビーノ」の身空で
ずいぶん大人びた(ときにはエロい…汗)詩を歌っておりましたが
最近は少し(?!)大人になってを詩の深い味わいを感じられるようになりました

フランス歌曲の黄金時代は19世紀半ばから100年くらい

ドイツ歌曲の世界より少しピークが遅かったみたい
フランスではルネッサンス以降いい詩が生まれにくくなってしまったようです
もっとも中世ではみんなシンガーソングライターで詩人と作曲家は同じ人だったのに
だんだん分業になっていったんですね!

歌曲は「詩と音楽の幸福なマリアージュ…」とはよく言ったものです
「ワインとチーズのマリアージュ」と同じですね!

先日、某千駄ヶ谷にてフランス歌曲研究会があり仏文の講師の先生がフランス近代詩について詳しくお話してくださいましたが、フランス詩は昔ガチガチに規則を作り過ぎて「こうやればいいんでしょ!」的な形に縛られた低迷時代が長かったそう。モリエールなどの芝居の中にも詩を読む詩人のパロディが出てくるくらいですから相当な荒れようだったのでしょうか・・・。そこへ「レミゼラブル」でお馴染みのヴィクトール・ユゴー大先生が現れ、ロマン派、高踏派、象徴派の名詩人たちの黄金時代へと続いていく。(←アバウト過ぎるまとめ方…汗)

フランス歌曲というと皆さんはどんな作品をおもいだすかなぁ・・・

やっぱりフォーレ作曲の「夢のあとに」ですかねぇ?
チェロでもヴァイオリンでも良く演奏しますからお耳にしたら「あ~知ってる!」ってなると思います。

おフランス的でメランコリックなこの作品・・・
いかにもフランス歌曲らしいと感じてしまいますが
なんと!作曲家フォーレはイタリアのカンツォーネを意識して作ったそうです
どこがじゃ~!
でも本当なのです・・・汗
テノール歌手でもあるビュシーヌ氏がイタリアはトスカーナ語の愛の詩を仏訳してくれたとの事
こう見えて(どう見えて?)フォーレはイタリアに強い憧れを抱いていたのです
失恋の痛手を負った30代の若きフォーレはその苦しみをこの作品にぶつけました
「私は幸せな夢をみた・・・あなたは神々しい光に包まれていた・・・あなたは私を呼んだ・・・そして二人は旅立った・・・光に向かって。そして悲しい目覚めが訪れる。おお夜よ!返してくれ!戻ってきておくれ!神秘な夜よ!」(←こちらもアバウト過ぎ・・・汗) 

私のところにレッスンにいらっしゃる方はよく「夢のあとに」を持っていらっしゃいます!
皆さん大好きなんですね~!!
ちなみに「ハバネラ」「ジュトゥヴ」「宝石の歌」・・・と人気ランキングは続きます!

でも「夢のあとに」は難しい・・・
本当に難しい・・・
いまでも私の本番にのせたくない曲ランキングの上位に君臨しています・・・涙

まぁフォーレの歌曲全般に言えることですが・・・
本当に素敵な曲なのになんとも言えず歌いにくいところがあります
(私が苦手なだけです。上手に歌われる方は沢山いらっしゃいます)
これをいつか克服してやろう!と燃えるのですがいつになることか・・・

来年は少しまとめて歌う機会があるのでピッチを上げて研究していきたいと思っています!

あれ?今日は今一番好きな歌曲のお話をしようと思ったのに・・・

残念!

また近いうちにお会いしましょう~!

秋の夜長は・・・美味しいフランスワインとメロディとともに・・・

注1:「メロディ」というのは・・・「メロディフランセーズ」の略。「フランス近代歌曲」のフランス語の言い方です
「ドイツ歌曲」を「リート」と呼ぶのと同じにようにつかいますので覚えておいてくださいね~!

最後に・・・
こちらは「フランス歌曲ってなぁに?」というお友達に素敵な素敵な世界をご紹介するためのブログです!ご専門の皆様におかれましてはくれぐれもその旨ご理解くださいませ!合掌
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by moriake | 2013-10-17 00:38 | 音楽のこと

ハムマガ8

その昔クインシー・ジョーンズがマイケルに言ったそうな・・・
「迷ったら音楽を聞け!」と。
「壁にぶつかったら楽譜に立ち戻れ!」とおんなじだ!

先日の来日ライヴでクインシーはまだまだ元気なお姿を見せてくれたそうです。
プラッソンといいクインシーといい…恐るべし80歳!

ハムハムハムハム

こちらの稽古も佳境に入ってまいりました!
この時期の私は芝居と音楽のバランスがグラつきます・・・
芝居の可能性を色々と試してつい無茶をしてしまうのです・・・
指揮の岩村さんには「ごめんなさ~い!」って言ってばかりです・・・はぁ。
「打合せとちゃうやん!」と内心思っても「大丈夫大丈夫!」って言ってくれます・・・仏

さて今回は、稽古が進むに連れて私の中で大きくクローズアップされているテーマについてお話します!

息子ハムレットと母ガートルードの濃厚な母子関係について。

原作のほうでもザックリ言って母親の再婚を受け入れられないのはハムレットがマザコンだからだという見方は定番となっています。

ガートルードは一人息子のハムレットを溺愛しています。オフィーリアの事も我が娘のように可愛がっています。息子を持つ母親の最大の試練は息子の結婚!この疎ましい出来事を自分の采配によって満足できるものにするという事は子離れできない母親の最大のテーマです。そしてその後も自分の存在を誇示することが出来ればそれに勝る幸せはない!息子の愛するオフィーリアを可愛がることは息子の機嫌をとることにも繋がりますし・・・。

私がなぜガートルードのハムレットへの愛をこんな揶揄した言い方で解説するかはトマの音楽から読み取れます。ガートルードが心配したり世話をやく場面でバックに流れる音楽がどことなく場違いな感じだったり、ハムレットやオフィーリアを苛立たせるものとなっているのは、まさにトマがその効果を狙ってのことだと思います。

息子は可愛い・・・
いくつになっても頼りない・・・
誰かが助けてあげなきゃ・・・
私が息子を守る!

このような思考回路に落ち入ったら抜け出すのは難しい・・・

息子を持つ母として他人事ではない!・・・汗

少し前にPTAの育児関連の講演会を聞きに行きました。
日頃この手のものに関心が薄い私にとってはとても新鮮でした。
とても有名な先生らしく会場は満席で大人気でしたよ。

テーマはズバリ「10歳児の育て方」

10歳で接し方を切り替えなければ手遅れになる!
と脅かされ、女子には女子向けの男子には男子向けのやり方がある!と。

誰よりも(・・・世の夫たちよりも)ママの気持ちをわかってくれる先生で、ちょっと引いた目で参加してる私でさえ「先生!ほんとにそうなんですー。」って言いそうになりました。
ママの気持ちを鷲づかみにした後で「お母さん!それは間違ってますよー!」ってバッサリ斬ります。上手い!普通ならカチンッとくるダメ出しも「あ~そうよね~」って素直に入ってくる。

印象に残っている言葉は・・・

「女の子は基本的に強いんです。幼稚園時代から友達関係でチクチクと遣り合って危機に遭遇し、自然と社会性を身につけていきますから。」「~~すべき!と常識や正しいことを押し付ければ反発します。母は偉い人間じゃない!生身の女として、人生の先輩としてありのままの姿を見せる。」「そして娘の幸せな未来を同じ女という立場でサポートしていく。」

「男の子は弱いです。」「男は論理的な生き物です。生れつき正義感があります。まだ未熟なこの時期不条理なことに対応するのが難しい。」「でも母は包み込んでいるその手を開かなくてはいけない!」「頼りなくて心配でも息子を包み込んではいけません!」

あくまで私の解釈で綴っておりますのでご容赦を!

授乳期が過ぎ・・・歩けるようになり・・・一人寝ができるようになり・・・と子供が母の手から少しづつ離れていく事は何より喜ばしい事ですが、母としてはどこか寂しい気持ちがあります。

「僕はね・・・ママと結婚するんだよ!チュッ!」
って本気で言ってた顔は忘れられません・・・涙

でも今では「僕はクラスに3人好きな女の子がいるんだ!お姉ちゃんは何人?」
という会話に変わりました。

こうしてすくすく大きくなっていくのだぁ・・・

でもヒゲが生えてきて汗臭くなる日が来るなんてまだ信じられない・・・きゃ~!

なんてことを考えながら・・・

ハムレットとガートルードの凄まじい親子バトルのシーンの白熱した稽古をぼーっと眺めておりました。


何歳まで一緒にお風呂入れるのかなぁ・・・
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by moriake | 2013-08-15 13:09 | 音楽のこと

ハムマガ 番外編

オッフェンバックはどうしてもオペラを書きたかった…
オペラ「ホフマン物語」は彼の残された人生をかけて作曲された集大成…
超人気のオペレッタ作曲家が見た最後の夢はオペラ!!!

先日パリオペラ座ライヴビューイングの「ホフマン物語」を鑑賞しました。
それで今回はフランスのオペラについて「ハムマガ番外編」にて触れてみようと思います!

「ホフマン物語」は大好きなオペラの一つ!
これまでに色々なプロダクションを観て参りました。
今回のパリオペの映像は確か…2000年?プルミエのR.カールセンの演出。
酒場がバスティーユのメインロビーのドリンクコーナーにそっくりで、
メインの舞台はガルニエの客席を舞台側からみたようなイメージです。
私はそのプルミエを当時絶好調だったナタリーデセイのオランピアで観てしまったので、
その後残念ながらなかなかそれを超える感動は得られていません。
彼女のためにあるエグイ演出と衣装!
ですからナタリーのように人間的にもぶっ飛んだキャラクターがないと
ちょっとイタイ場面になってしまうかも・・・
しかし最近コロラトゥーラソプラノのレベルは大きく進歩してますね。
高音が果てしなく出るハイパーソプラノでした!
ホフマン役のテノールはバリバリイタリア人でとても軽快に演ってのけました。
ちょう難役なのに立派です!
アントニアも素晴らしかった!
METでネトレプコが演じた時はあまりにも楽勝すぎて・・・。
悪役一人4役のバリトンも素晴らしい!
ジュリエッタの場面ではジャンレノばりのちょいワルオヤジでカッコ良かったなぁ。
ニコラウス役はとても難しい…メゾソプラノの難役のひとつなのでは・・・。
今回音楽がイマイチ停滞してしまうのは指揮者さんの・・・いえっ!劇場のせいかな?
バスチーユは本当に難しい劇場だと思います。
ガラーンとした空間・・・。
日本だったらオーチャードでオペラやった感じに近いかな。
録音はマイクを凄く近くにセットしたり工夫はしてましたが・・・。

偶然にも間も無く東京二期会が同オペラを上演します!
11月には新国で!・・・なぜか流行ってる・・・
私も伺いますが、特に宣伝を頼まれてる訳ではございませんのであしからず・・・

皆様におかれましては
9/1の「ハムレット」!!!!!是非是非お越しくださいませね!

   ハムハムハムハムハムハムハムハム


さて…少し時代を戻してみましょう。

ご存知の通りフランスは度々王制と共和制を繰り返した歴史があります。
激動の時代の中でオペラは消えることなく発展していきました。

オペラといえばイタリア!というイメージがありますが、
パリは昔からヨーロッパの文化の中心的な街でしたから
イタリアオペラの代表選手ロッシーニもヴェルディもドニゼッティもパリでの公演のために
力を注ぎました。もちろんワーグナーもです。

パリのオペラ座はどんなに政治が不安定でも政権が代わっても
常に巨額の予算が付けられ、文化の中心として栄えました。
オペラ座の社交界はフランス又は世界の財界人にとって大変有意義な場所だったからです。

他にもパリにはいつくかのオペラ劇場がありました。(今もありますが・・・)
その一つ一つに格付けがあり、上演できる作品が決められていました。
歌舞伎座と国立劇場とは上演作品の傾向が違う…よりもハッキリした決まりだったようです。

オペラ座、オペラコミック座、リリック座、イタリア座・・・etc

外国人作曲家の作品は年間何本までとかフランスの若手作曲家の作品を何本とりあげるとかまで規制されていた時代もあったようです。

特にオペラ座で上演するには・・・歌と歌の間のお芝居はセリフではなくレチタティーヴォ
(メロディに乗せて歌うように話す…みたいな)でなくてはいけませんでした。
ウェーバーの「魔弾の射手」はパリオペラ座のために
ベルリオーズがわざわざフランス語でレチタティーヴォを作曲しました。
グノーの「ファウスト」も実ははじめセリフ芝居で綴られた作品だったそうですが
いよいよ出世してオペラ座で上演できる運びとなった時にセリフを作曲したそうです。
ビゼーの「カルメン」も本来セリフでのお芝居で綴られますが別の作曲家が書き足しました。
「カルメン」の場合はあまりにヒットしたため、海外での上演を求められ誰でも演じられるように
というほうが重要ですね。

この「セリフ」か?「レチタティーヴォ」か?という特色がパリでは何故か重要でした。
この違いを「オペラコミック」と「グランドオペラ」という呼び名で区別しています。
物語の内容から見ると後者のほうが壮大なテーマまたは原作が名作だったりします。
それから上演時間も「グランドオペラ」のほうが長く大抵は5幕ものでした。
・・・ちなみに「ハムレット」も5幕です!

それから忘れていけないのがバレエです!
オペラ座はオペラとバレエの2本柱で成り立っています。
必ずバレエを魅せる単独のシーンが数箇所なくてはいけませんでした。

もちろん合唱団を使った壮大なシーンも必須でした。

絢爛豪華なオペラ座で予算をかけた派手な舞台セット!夢のような衣装!
大規模な合唱団!素晴らしいバレエ!
これでフランスは世界に力をアピールしたのです!
莫大な赤字を累積し続けてもです。
なんだか凄いですね!さすがルイの国!

さて「ハムレット」は以上の全ての条件を満たしたオペラです。

ということは・・・ そうです!当たり!「グランドオペラ」です!

え~っ!長いの嫌だよ~!舞踏シーンは長くなくていいよ~!
お話は壮大じゃなくていいよ~!

そうですね!私もそう思います・・・
この「グランドオペラ」スタイルは19世紀が終わる頃にはすっかり
時代遅れとなってしまいます。
時代はもっ身近な登場人物による生々しいお話を好むようになりました。

トマの「ハムレット」は1868年に初演されたので
この「グランドオペラ」がもてはやされていた時代の最後の華だったのかもしれません。

幸運なことにこの時代パリには名歌手が揃っており、彼らの才能あるパフォーマンスで
公演が成功するということになっていたようです。

さて・・・時代遅れの作品をなぜ現代にやるのかい?

と思われたかと思います。これじゃ「ハムレット」の販促活動にならんやろ!
と言われそうですね。

これでは終われないので長くなりますがもう少し・・・

多くのグランドオペラが消えていった中でトマの「ハムレット」は生き残りました!

それは原作がシェイクスピアだったからです。

いえ!失礼しました!もちろん作曲家トマの功績も沢山あります。

だって高橋英郎著『エスプリの音楽』によるとオペラ「ハムレット」って18作品あるそうですが、
現在までの残っているのはこのトマの作品のみですから!
若くして才能を発揮し恵まれたトマですが度々のライバル出現で何度も挫折を味わいました。
イタリアからはドニゼッティ・・・後輩のグノーにも追い抜かれる・・・
前作「ミニョン」で大ブレイクする前も数年作品は発表せずに研究を重ねたそうです。
「ミニョン」の追い風とともに「ハムレット」は作られました。

昔から多くの舞台人が虜になったシェイクスピアの作品
作品から発せられる強いメッセージをどう料理するか?
その野望はいつの時代も失せることなく続いています。

お芝居の「ハムレット」を知らない人は少ないでしょう。
原作を知っているまた熟知している観客があーでもない!こうでもない!と言って
楽しむ作品なんだと思います。
原作との比較で常にケチをつけられますが、それでいいのだと思います。
だってオペラですから! 盛り上がってなんぼです!

既にご予約頂いた有難いお客様、ならびにまだ迷っている皆様!
ご心配なく!
今回は現代に生きる私たちが耐えうる上演時間となっております。
諸処のカットによりストーリーの展開がスムーズになりとても楽しめるものとなりました。

あとは役者次第  ・・・汗

キャストのみなさ~ん!合唱のみなさ~ん!がんばりましょう!
イェ~~~~イ!

ほんとに長すぎてごめんなさい・・・
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by moriake | 2013-06-28 22:30 | 音楽のこと

魔笛のこと

気をつけないといつのまにか体が冷えちゃう季節になりましたね
我が家の前の道を子供たちはこの時期だけ「どんぐりロード」と呼んでいます
最近そこを通過するのにとても時間がかかります・・・
手にポケットにバッグの中にたくさん集めたどんぐり・・・
みなさんその後どうなさっているのかしら。

ウィーン国立歌劇場の「小学生のための魔笛」
色々思った事をしたためていたのですが
すっかりタイミングを逃してしまいました・・・汗
今更ですが・・・少しだけ

まずとても残念だったのはあんなにいい公演なのに空席が目立ったこと
平日に横浜市街に夕方6時到着は厳しいのかな
4時に下校してきてすぐ出発してもあわただしいですし、習い事を1つこなしていたらアウトですね
上演時間は1時間だから7時でもよかったのでは・・・土日なら更に嬉しい

それでもわざわざ集まる客層はやはりいつのもお子ちゃま向けコンサートとはかなり違いました
マナーが良いだけでなくリアクションが良い!
ちょっとしたセリフや芝居に良く反応しげらげら笑ったり拍手をしたり感情が豊かでした
・・・これ意外と珍しいのです。
最近は妙に[いい子」が多いですから。もっと感情が抑制させられてる場合もあります。

は・は・は・は・は・は・は・はーーっと
トイレから夜の女王のアリアのアジリタの鼻歌も聞こえてきました(笑)
多分男の子ね・・・

今回の公演は「魔笛」の筋を追うというより 合間合間に
オーケストラってなに?オペラって?この楽器なに?
みたいなお楽しみコーナーが盛りだくさんでした
それは大抵の子供向けのコンサートでは定番のことなんだけど
ウィーンフィルのメンバーがとてもお茶目にやっちゃうから
驚き!そんな姿にとても嬉しくて、大人たちが興奮しちゃいました

それから怪獣たちが笛に踊らされるシーンでは物凄い数の着ぐるみの動物が!
どこかのネズミ君ランド顔負けの大変立派なお仕立てとなっていました
ライオン、像、キリン、ダチョウは圧巻!

カット版はもういい!と文句を言っていた娘は
子供が3人の童子たちを演じるのを初めて見たので感動!
あれはオイシイ!とひそかに思ったにちがいない(笑)

パパゲーノの甲斐君はとてもなめらかにナビゲートしてくれて会場を和ませてくれました
ウィーンの稽古ではセリフについてだれもダメだししてくれなかった・・・
自分で日本語に台本を書き変えなきゃいけなかった・・・
と言ってましたが、とても聴き取りやすかったし成功してましたよ!

夜の女王は見るからに怖いお母さんという感じ・・・
パパゲーナはうわ~っと溜め息がでるくらいかわいかった・・・楽屋で普段着に戻ったところを見たら
モデルさんのように美しかった・・・ 甲斐君チュッとされてうれしかっただろうな~
私でもうれしいかも・・・(笑)


娘いはく・・・
今風のネタでウケを狙う場面がなかったから本物っぽかった・・・と

っぽかった ・・・のか


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コンサートのお知らせ
12/13木 オペラサロントナカイ 出演 共演:水船桂太郎T 勝倉小百合M 芦沢真理pf
       久々の出演です!ご予約の詳細はオペラサロンのHp をご覧ください!

12/16日 3時半開演 明大マンドリン倶楽部コンサート ゲスト出演 
       栃木県小山市立文化センター大ホール お近くの方は是非是非!!! 

12/24祝月 1時半開演 恵比寿アートカフェフレンズにて 「クリスマスイヴライヴ」
       スペシャルベスト:高野二郎T 黒木直子pf 

1/31木 7時開演 表参道カワイサロンパウゼにて 「二期会サロンコンサート168 冬の空の下 流れるフランスの調べ」 共演:鎌田直純B 須江太郎pf

チケットお申し込みの方は・・・コメントしてください!(非公開で承ります)
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by moriake | 2012-11-03 22:44 | 音楽のこと

須江太郎さんピアノリサイタル!

短い髪の毛にため息をついてるうちに今週も始まってしまいました

短くして初めて知りましたけど・・・朝起きるとがっかりするような髪形になるんですね
きっと皆さんは毎朝きれいにお手入れしてるんだわ~
わたしはこれまでは手グシでクルクル・・・パクッ!でしたから(笑)


先日の須江太郎さんのリサイタル!
今頃のご報告で恐縮です・・・

今回はCD発売記念でした。10年ぶりですって!
須江さんとのお付き合いも随分長くなりました
妊娠つわり期の最悪コンディションでのリハーサルとか(笑)今は懐かしい思い出です
元気になったあとも須江さんのお顔を見るとしばらくは思い出して・・・
「う~っ」っとドラマのように手を口にあてたものです・・・(笑)

この日の須江さんは長い髪を後ろに束ねてなかなかアーティスティック!
・・・長髪男子好きです・・・

タカギクラヴィアのニューヨークスタインウェイの【CD368】という100年前の最高のピアノを
持ち込んでのコンサートでした!

こんな素晴らしい楽器を操るのは僕には難しいんです
でもこの楽器を奏でた名ピアニスト達の音楽に魅せられてきた者として
敬意を込めて少しでも近づけるように努力します・・・ のような言葉を以前語ってました

プログラムはドビュッシー、プーランク、リストが前半
後半にシューマンの謝肉祭

ここからは私の個人的な感想です。コンサート評ではありません!

須江さんのピアノは音色が美しく繊細でロマンティックなのに
ここ最近は凄く力強いがっつりした音の美しさが際立ってる気がします
それからコケティッシュな表現がとてもチャーミング!
FETES GALANTES(みやびな宴)的なロマンティックだけど刹那的
喜劇だけど物悲しい・・・みたいな雰囲気を醸し出してました(うまく言えてない・・・)


3人のコブツキ(一人増えてる!)で行きましたので中央かぶり付きで堪能してしまいました
ホールの響きをたのしむことはできませんでしたが
同じ演奏家としてが真近で呼吸を感じるのは凄く勉強になります

子供たちも最後まで釘付けでした
特にシューマンは曲間が途切れないことも多いので
今7番目?いや8?9?と必死になってイメージを膨らましてました

来年1月31日のカワイパウゼで須江さんとご一緒します!
サロンならでは!のプログラムを準備してますので楽しみにしていてくださいね!


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コンサートのお知らせ
12/24祝月 1時半開演 恵比寿アートカフェフレンズにて 「クリスマスイヴライヴ」
1/31木 7時開演 表参道カワイサロンパウゼにて 「二期会サロンコンサート168

チケットお申し込みの方は・・・コメントしてください!(非公開で承ります)
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by moriake | 2012-10-15 12:10 | 音楽のこと

森朱美コンサート情報!

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ソプラノ森朱美Akemi Mori Sopranoで検索ください!

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