La vie en rose ・・・ 歌うこと・生きること・楽しむこと


ソプラノ歌手の森朱美。13歳と10歳の2児の母でもあります。人生最後の日に「La vie en rose!」といえるようになれたら・・・と日々奮闘中!
by moriake
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ハムマガ 番外編

オッフェンバックはどうしてもオペラを書きたかった…
オペラ「ホフマン物語」は彼の残された人生をかけて作曲された集大成…
超人気のオペレッタ作曲家が見た最後の夢はオペラ!!!

先日パリオペラ座ライヴビューイングの「ホフマン物語」を鑑賞しました。
それで今回はフランスのオペラについて「ハムマガ番外編」にて触れてみようと思います!

「ホフマン物語」は大好きなオペラの一つ!
これまでに色々なプロダクションを観て参りました。
今回のパリオペの映像は確か…2000年?プルミエのR.カールセンの演出。
酒場がバスティーユのメインロビーのドリンクコーナーにそっくりで、
メインの舞台はガルニエの客席を舞台側からみたようなイメージです。
私はそのプルミエを当時絶好調だったナタリーデセイのオランピアで観てしまったので、
その後残念ながらなかなかそれを超える感動は得られていません。
彼女のためにあるエグイ演出と衣装!
ですからナタリーのように人間的にもぶっ飛んだキャラクターがないと
ちょっとイタイ場面になってしまうかも・・・
しかし最近コロラトゥーラソプラノのレベルは大きく進歩してますね。
高音が果てしなく出るハイパーソプラノでした!
ホフマン役のテノールはバリバリイタリア人でとても軽快に演ってのけました。
ちょう難役なのに立派です!
アントニアも素晴らしかった!
METでネトレプコが演じた時はあまりにも楽勝すぎて・・・。
悪役一人4役のバリトンも素晴らしい!
ジュリエッタの場面ではジャンレノばりのちょいワルオヤジでカッコ良かったなぁ。
ニコラウス役はとても難しい…メゾソプラノの難役のひとつなのでは・・・。
今回音楽がイマイチ停滞してしまうのは指揮者さんの・・・いえっ!劇場のせいかな?
バスチーユは本当に難しい劇場だと思います。
ガラーンとした空間・・・。
日本だったらオーチャードでオペラやった感じに近いかな。
録音はマイクを凄く近くにセットしたり工夫はしてましたが・・・。

偶然にも間も無く東京二期会が同オペラを上演します!
11月には新国で!・・・なぜか流行ってる・・・
私も伺いますが、特に宣伝を頼まれてる訳ではございませんのであしからず・・・

皆様におかれましては
9/1の「ハムレット」!!!!!是非是非お越しくださいませね!

   ハムハムハムハムハムハムハムハム


さて…少し時代を戻してみましょう。

ご存知の通りフランスは度々王制と共和制を繰り返した歴史があります。
激動の時代の中でオペラは消えることなく発展していきました。

オペラといえばイタリア!というイメージがありますが、
パリは昔からヨーロッパの文化の中心的な街でしたから
イタリアオペラの代表選手ロッシーニもヴェルディもドニゼッティもパリでの公演のために
力を注ぎました。もちろんワーグナーもです。

パリのオペラ座はどんなに政治が不安定でも政権が代わっても
常に巨額の予算が付けられ、文化の中心として栄えました。
オペラ座の社交界はフランス又は世界の財界人にとって大変有意義な場所だったからです。

他にもパリにはいつくかのオペラ劇場がありました。(今もありますが・・・)
その一つ一つに格付けがあり、上演できる作品が決められていました。
歌舞伎座と国立劇場とは上演作品の傾向が違う…よりもハッキリした決まりだったようです。

オペラ座、オペラコミック座、リリック座、イタリア座・・・etc

外国人作曲家の作品は年間何本までとかフランスの若手作曲家の作品を何本とりあげるとかまで規制されていた時代もあったようです。

特にオペラ座で上演するには・・・歌と歌の間のお芝居はセリフではなくレチタティーヴォ
(メロディに乗せて歌うように話す…みたいな)でなくてはいけませんでした。
ウェーバーの「魔弾の射手」はパリオペラ座のために
ベルリオーズがわざわざフランス語でレチタティーヴォを作曲しました。
グノーの「ファウスト」も実ははじめセリフ芝居で綴られた作品だったそうですが
いよいよ出世してオペラ座で上演できる運びとなった時にセリフを作曲したそうです。
ビゼーの「カルメン」も本来セリフでのお芝居で綴られますが別の作曲家が書き足しました。
「カルメン」の場合はあまりにヒットしたため、海外での上演を求められ誰でも演じられるように
というほうが重要ですね。

この「セリフ」か?「レチタティーヴォ」か?という特色がパリでは何故か重要でした。
この違いを「オペラコミック」と「グランドオペラ」という呼び名で区別しています。
物語の内容から見ると後者のほうが壮大なテーマまたは原作が名作だったりします。
それから上演時間も「グランドオペラ」のほうが長く大抵は5幕ものでした。
・・・ちなみに「ハムレット」も5幕です!

それから忘れていけないのがバレエです!
オペラ座はオペラとバレエの2本柱で成り立っています。
必ずバレエを魅せる単独のシーンが数箇所なくてはいけませんでした。

もちろん合唱団を使った壮大なシーンも必須でした。

絢爛豪華なオペラ座で予算をかけた派手な舞台セット!夢のような衣装!
大規模な合唱団!素晴らしいバレエ!
これでフランスは世界に力をアピールしたのです!
莫大な赤字を累積し続けてもです。
なんだか凄いですね!さすがルイの国!

さて「ハムレット」は以上の全ての条件を満たしたオペラです。

ということは・・・ そうです!当たり!「グランドオペラ」です!

え~っ!長いの嫌だよ~!舞踏シーンは長くなくていいよ~!
お話は壮大じゃなくていいよ~!

そうですね!私もそう思います・・・
この「グランドオペラ」スタイルは19世紀が終わる頃にはすっかり
時代遅れとなってしまいます。
時代はもっ身近な登場人物による生々しいお話を好むようになりました。

トマの「ハムレット」は1868年に初演されたので
この「グランドオペラ」がもてはやされていた時代の最後の華だったのかもしれません。

幸運なことにこの時代パリには名歌手が揃っており、彼らの才能あるパフォーマンスで
公演が成功するということになっていたようです。

さて・・・時代遅れの作品をなぜ現代にやるのかい?

と思われたかと思います。これじゃ「ハムレット」の販促活動にならんやろ!
と言われそうですね。

これでは終われないので長くなりますがもう少し・・・

多くのグランドオペラが消えていった中でトマの「ハムレット」は生き残りました!

それは原作がシェイクスピアだったからです。

いえ!失礼しました!もちろん作曲家トマの功績も沢山あります。

だって高橋英郎著『エスプリの音楽』によるとオペラ「ハムレット」って18作品あるそうですが、
現在までの残っているのはこのトマの作品のみですから!
若くして才能を発揮し恵まれたトマですが度々のライバル出現で何度も挫折を味わいました。
イタリアからはドニゼッティ・・・後輩のグノーにも追い抜かれる・・・
前作「ミニョン」で大ブレイクする前も数年作品は発表せずに研究を重ねたそうです。
「ミニョン」の追い風とともに「ハムレット」は作られました。

昔から多くの舞台人が虜になったシェイクスピアの作品
作品から発せられる強いメッセージをどう料理するか?
その野望はいつの時代も失せることなく続いています。

お芝居の「ハムレット」を知らない人は少ないでしょう。
原作を知っているまた熟知している観客があーでもない!こうでもない!と言って
楽しむ作品なんだと思います。
原作との比較で常にケチをつけられますが、それでいいのだと思います。
だってオペラですから! 盛り上がってなんぼです!

既にご予約頂いた有難いお客様、ならびにまだ迷っている皆様!
ご心配なく!
今回は現代に生きる私たちが耐えうる上演時間となっております。
諸処のカットによりストーリーの展開がスムーズになりとても楽しめるものとなりました。

あとは役者次第  ・・・汗

キャストのみなさ~ん!合唱のみなさ~ん!がんばりましょう!
イェ~~~~イ!

ほんとに長すぎてごめんなさい・・・
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by moriake | 2013-06-28 22:30 | 音楽のこと

ハムマガ その2

今回は「ハムレット王子はテノールじゃないのね?」
という感想を頂きましたのでちょっと考えてみました。
確かに!テノールでも良さそうですね。

王子様=テノール!! 

オペラ「ハムレット」の主要キャストは4人。
王子ハムレットがバリトン、
オフィーリアがソプラノ、
王クローディアスがバス、
王妃ガートルード(ハム母)がメゾソプラノとなっております。

ハムレットとはどんな人間なのか?
昔から巷ではハムレットって~憂鬱症でマザコンで優柔不断で・・・
と言いたい放題言われているようですが、殺された父の仇を打つために
復讐心に燃える血の気のある王子という見方もあります。
この作品の作曲家トマは悩めるハムレットをバリトンの音色で描きたかった。
料理の仕方によって作曲家が歌手の声種を選べる訳です。
トマは「バス歌手のような力強さがありながらチェロのような響きを持ち必要ならば
テノールの音域までカバーできるハムレット」を描いた。
(A.Tubeuf:フランスオペラにおけるシェイクスピア~その回り道の歴史より)

ちなみに初演時のハムレット役ジャン・バプティスト・フォーレは正に当たり役だったそうで、初演は大成功!それからしばらくの間は才能ある歌手陣のお陰でオペラ「ハムレット」は再演が続いたそうです。

さてさて・・・ではテノールは一体どんな役で登場するのでしょう?

オフィーリアのお兄さんレアティーズです!
ハムレット王子とは身分は違うものの幼馴染。
目下フランスに留学中の身で勉学に社会勉強に勤しむ生きのいい好青年です。

049.gifこのオペラの聴きどころ「その1」
第1幕第1場(はじまって20分後)
レアティーズのカヴァティーナ(アリアではない・・・)
前王崩御の直後に王妃が再婚。
新王の戴冠式に参列のため一時帰国していたレアティーズ。
再びフランスに戻るためハムレットとオフィーリアに別れの挨拶に来る。
(オペラでは戦地に行くことになっていてかなりシリアスな別れとなってます)
愛しい妹をよろしく頼む!とハムレットに歌うシーンです。
妹を案じてのお願いとは思えないロマンティックで甘~い音楽・・・
ファウストか?ロメオか?はたまたホセか?
若々しいエネルギーが溢れる熱っぽいアリアです!
おっと・・・アリアではなかったですねぇ。
(オペラ初参戦の皆様へ:アリアとは物語の中で自分の気持ちなどを語るために1曲まるまる一人で歌う曲のことです。その役の見せ場となります。カヴァティーナはアリアまでいかない小曲。この時代のアリアには歌の最後に美しい声の見せ場があり、物語をしばし中断して歌手に拍手喝さいをおくります。)

なんとこの素晴らしく美しいレアティーズの見せ場の最後にハムレットとオフィーリアがワ~っと割り込んで3重唱になって終わります。更になんと!終わった瞬間に次のシーンの音楽が滑り込んでくるから拍手ができない!(ラボエームのムゼッタのワルツの後より拍手は難しい・・・)

幕が開いて最初のアリアの場面でイケメンテノールがもってってしまうのを懸念したのでしょうか(笑)
いえいえ!ハムレットのモヤモヤに容赦無く響く祝宴のファンファーレ・・・
母と叔父との結婚・・・王位についた祝杯の盃には危険な香りが・・・
実にテンポよくドラマは展開していきます。

オフィーリア役とソプラノ歌手についてはまた今度!



*このブログは私とのご縁でオペラ公演に初めてお越し下さるお客様やオペラ「ハムレット」を初めて御覧になる方が公演を楽しんで頂けるよう作品を紹介することを目的としております。専門的に作品を考察する場合は別のサイトをご参考になさってくださいね。


2013.9/1(日)2時開演 神奈川県民ホール大ホール
首都オペラトマ作曲「ハムレット」
チケット絶賛発売中!!

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by moriake | 2013-06-23 19:31

ハムマガ その1

7/25オペラサロントナカイプロデュース「ディナーコンサート」はお陰様でSOLD OUT!
本当に有難いことです。きっとハムレットの稽古真っ最中の時期ですが
色々歌っちゃいます!お楽しみに!

そして・・・残念ながら予約が間に合わなかった皆様!
悲しむ必要はありません!
9月1日神奈川県民ホール『ハムレット』にレッツゴー!GO!

既にお席を予約された皆様へ!
そして・・・
横浜か~まだ暑いしな~オペラでハムレットってどうなのよ~チケット高~い!
と思っている貴方へ! そう!そこのア・ナ・タ!

こちらのblogにて本番までの間、色々とオペラの見どころなどをお伝えしてまいります!
ハムレットマガジン 略して ハムマガ配信中!

ということで今回のテーマは第1回にふさわしく
  「予習したいならこれで決まり!」

ハムハムハムハムハム・・・

日本語訳の戯曲は簡単に手に入ります。
岩波、新潮、白水Uブックス・・・ 昔からの名訳も
どれも微妙に言い回しやセリフのリズムが違っていて訳詞者の拘りが感じられます。
私は岩波の野島秀勝訳が好きです。注釈がとても親切です。
ただ原作を読み込んでいくと、オペラのほうに色々言いたくなってしまうので難しいところ。
今回のチラシで音楽ジャーナリストの池田卓夫さんも書いているように芝居からオペラへ焼直すには色々と様式的制限があったので、初演当時でも戯曲とのギャップに批判は多かったようです。
実際、作曲家のトマ自身がシェイクスピアのお国イギリスでの公演の際、例の結末のシーンを原作通りに書き直したわけで・・・
今回の公演では?ハムレットはほんとに死なないのかなぁ?
これはお稽古が始まるまでわからないですね。
使用楽譜は普通に流通している死なない版ですが、芝居でいくらでも見せられますからねぇ。
楽しみにしてるよ!森口さ~ん!・・・私はこの幕切れのシーンでは既に死んでいるので本番中は薄目を開けてみることにしま~す!オペラグラスで覗かないでね~。

さて本公演を楽しみにして下さっている皆様!
事前に原作を勉強しておきたい! けど 時間がない!方にはDVD鑑賞がおススメ!

ローレンス・オリヴィエ監督/主演とケネス・ブラナー監督/主演のDVDが手に入ります。
(あとはロシア映画とゼッフィレッリのものもあるようです)
前者は大幅にカットした白黒映画、後者は4時間を超える上演時間ですが原作に忠実。
ケネス・ブラナーはシェイクスピア映画はお得意ですが、なかでもこれは集大成なのでは…
まだオペラ研修所時代に日比谷の映画館で圧倒され打ちのめされ興奮した思い出があります。
オフィーリアを演じるケイト・ウィンスレットはタイタニックでレオ様の相手役だった女優さん。
はかないお姫様的なオフィーリアに新しいテイストを付け加えてくれました。
体格も立派で肉感的。決して大人しい娘ではなく自分の考えをきちんと持っている現代的な女性として描かれています。原作ではあいまいになっているハムレットとの元々の関係については回想という形で二人が強い信頼関係で結ばれ共に愛し合っていたという事を見せています。官能的な愛のシーンがとても美しく効果的!
悲劇へと転じていく度にこの回想シーンが繰り返され切なくなります。
こちらの感想を上げるとキリがありません・・・ ケネス・ブラナーが大好きなので・・・
とてもおススメではありますが、この絢爛豪華な舞台セットに目が慣れてしまうと危険・・・汗
METでも歯が立たないです。だって映画ですから・・・
くれぐれも舞台とは別物としてご鑑賞くださいませ。

最後にオペラ版ハムレットにちょっとだけ触れておきます。
きっとMETのライヴビューイングで見られた方もいらっしゃいますね。
これはYouTubeでも見られます。ただ中盤あたりちょっと退屈になってしまうので残念。
この時の目玉はハムレット役のキーンリーサイドの名演技と当時全盛期だったフランスの
ソプラノ歌手ナタリー・デセイのオフィーリアでしたが、体調不良の為代役でした。
もちろんその方は素晴らしいソプラノでしたが、ナタリーの血を吐くような迫真の舞台が見られなくて残念でした。でもこのペアはバルセロナでの映像がDVDに残っています。
ナタリーはオフィーリア役がぴったりだったと思います。留学時代、同門だったのでひいき目もあるかもしれませんが、彼女の音楽性と声の色と芝居作りがとても良いバランスでマッチしていました。
留学時代に幸運にもパリのシャトレ座にてハンプソン&ナタリーの舞台を観るチャンスがありました。
その時のオフィーリアの見せ場には延々拍手が鳴りやまず、しばらく舞台が中断されるほどでした。
その時からオフィーリアを歌いたい!という夢を持ち続けていたのかもしれません。

続きはまた今度!

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by moriake | 2013-06-19 00:22 | 歌うこと

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