La vie en rose ・・・ 歌うこと・生きること・楽しむこと


ソプラノ歌手の森朱美。13歳と10歳の2児の母でもあります。人生最後の日に「La vie en rose!」といえるようになれたら・・・と日々奮闘中!
by moriake
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ハムマガ8

その昔クインシー・ジョーンズがマイケルに言ったそうな・・・
「迷ったら音楽を聞け!」と。
「壁にぶつかったら楽譜に立ち戻れ!」とおんなじだ!

先日の来日ライヴでクインシーはまだまだ元気なお姿を見せてくれたそうです。
プラッソンといいクインシーといい…恐るべし80歳!

ハムハムハムハム

こちらの稽古も佳境に入ってまいりました!
この時期の私は芝居と音楽のバランスがグラつきます・・・
芝居の可能性を色々と試してつい無茶をしてしまうのです・・・
指揮の岩村さんには「ごめんなさ~い!」って言ってばかりです・・・はぁ。
「打合せとちゃうやん!」と内心思っても「大丈夫大丈夫!」って言ってくれます・・・仏

さて今回は、稽古が進むに連れて私の中で大きくクローズアップされているテーマについてお話します!

息子ハムレットと母ガートルードの濃厚な母子関係について。

原作のほうでもザックリ言って母親の再婚を受け入れられないのはハムレットがマザコンだからだという見方は定番となっています。

ガートルードは一人息子のハムレットを溺愛しています。オフィーリアの事も我が娘のように可愛がっています。息子を持つ母親の最大の試練は息子の結婚!この疎ましい出来事を自分の采配によって満足できるものにするという事は子離れできない母親の最大のテーマです。そしてその後も自分の存在を誇示することが出来ればそれに勝る幸せはない!息子の愛するオフィーリアを可愛がることは息子の機嫌をとることにも繋がりますし・・・。

私がなぜガートルードのハムレットへの愛をこんな揶揄した言い方で解説するかはトマの音楽から読み取れます。ガートルードが心配したり世話をやく場面でバックに流れる音楽がどことなく場違いな感じだったり、ハムレットやオフィーリアを苛立たせるものとなっているのは、まさにトマがその効果を狙ってのことだと思います。

息子は可愛い・・・
いくつになっても頼りない・・・
誰かが助けてあげなきゃ・・・
私が息子を守る!

このような思考回路に落ち入ったら抜け出すのは難しい・・・

息子を持つ母として他人事ではない!・・・汗

少し前にPTAの育児関連の講演会を聞きに行きました。
日頃この手のものに関心が薄い私にとってはとても新鮮でした。
とても有名な先生らしく会場は満席で大人気でしたよ。

テーマはズバリ「10歳児の育て方」

10歳で接し方を切り替えなければ手遅れになる!
と脅かされ、女子には女子向けの男子には男子向けのやり方がある!と。

誰よりも(・・・世の夫たちよりも)ママの気持ちをわかってくれる先生で、ちょっと引いた目で参加してる私でさえ「先生!ほんとにそうなんですー。」って言いそうになりました。
ママの気持ちを鷲づかみにした後で「お母さん!それは間違ってますよー!」ってバッサリ斬ります。上手い!普通ならカチンッとくるダメ出しも「あ~そうよね~」って素直に入ってくる。

印象に残っている言葉は・・・

「女の子は基本的に強いんです。幼稚園時代から友達関係でチクチクと遣り合って危機に遭遇し、自然と社会性を身につけていきますから。」「~~すべき!と常識や正しいことを押し付ければ反発します。母は偉い人間じゃない!生身の女として、人生の先輩としてありのままの姿を見せる。」「そして娘の幸せな未来を同じ女という立場でサポートしていく。」

「男の子は弱いです。」「男は論理的な生き物です。生れつき正義感があります。まだ未熟なこの時期不条理なことに対応するのが難しい。」「でも母は包み込んでいるその手を開かなくてはいけない!」「頼りなくて心配でも息子を包み込んではいけません!」

あくまで私の解釈で綴っておりますのでご容赦を!

授乳期が過ぎ・・・歩けるようになり・・・一人寝ができるようになり・・・と子供が母の手から少しづつ離れていく事は何より喜ばしい事ですが、母としてはどこか寂しい気持ちがあります。

「僕はね・・・ママと結婚するんだよ!チュッ!」
って本気で言ってた顔は忘れられません・・・涙

でも今では「僕はクラスに3人好きな女の子がいるんだ!お姉ちゃんは何人?」
という会話に変わりました。

こうしてすくすく大きくなっていくのだぁ・・・

でもヒゲが生えてきて汗臭くなる日が来るなんてまだ信じられない・・・きゃ~!

なんてことを考えながら・・・

ハムレットとガートルードの凄まじい親子バトルのシーンの白熱した稽古をぼーっと眺めておりました。


何歳まで一緒にお風呂入れるのかなぁ・・・
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# by moriake | 2013-08-15 13:09 | 音楽のこと

ハムマガ7

娘が10歳の誕生日を迎えた日。10年前の自分を久しぶりに思い出しました。何も変わってないようで・・・いやいや!良くも悪くもすっかり変わってしまいました。びっくり!でも腕の中にすっぽり入ってた赤ちゃんがこんなに大きくなってツンとお姉さんぶって立ってるのを眺めるほうがもっとびっくり!10年前に突如私の前に現れた宝物!思春期目前で難しい年頃になってまいりましたが、まだまだ無邪気で可愛い笑顔に癒されます。薄情な母はお誕生日にオペラの稽古・・・本当にごめんね。

おっと!ハムマガでしたね。

ハムハムハムハムハム

今回はお盆休み直前の疲れた体に優しい内容で、登場人物の名前のおさらいで~す!

まずは…アムレット!
はい!フランス語はHを発音しませんのでハムレットはアムレットです。
歌の中では「アムレ~~」と聞こえて来るはず。あるCDではあえてHを発音して録音してるものもありますが、無理やり「ハッ」と発音するのは音楽の流れの妨げになって美しくないように思います。

次に…オフェリ。
はい!オフィーリアです。「オ」から始まる名前なのでその前の単語によって「~ゾフェリ~~」とか「~ドフェリ~~」と聞こえてくるのでちょっと不気味な感じ(笑)

オフェリのお兄さんレアティーズは・・・ラエルトです。
親友のホレイショはオラスィオ・・・

でも字幕は英語の定番の発音で記載されますのでご心配なく!

あとは名前ではないのですが王様の事を「Sireスィール」お妃を「Madameマダム」などと呼びます。

それから、ハムレットが狂った芝居を始めるとオフィーリアを突き放すために「TU親称」ではなく「VOUS敬称」で話すようになったり、亡霊を父親だと確信した瞬間ハムレットは「VOUS」から「TU」に切り替え親子の会話になります。なかなか聞き取りにくいとは思いますが、ハムレットの心情の変化とともに違いを感じていただけたらちょっと面白いかもしれません。

立ち稽古は粛々と進んでおります。先日は漸く「狂乱の場面」に入りました。
ちゃんと歌うことで精一杯な場面ではありますが、オフィーリアの感情の起伏の音楽と動作がピッタリ合った瞬間に技巧的なメロディが自然な心の叫びになります。ふわっと声が空に羽ばたくような感じ。これがオペラの醍醐味。

演出の佐藤美晴さんは若手女流演出家です!
女性が演出する「ハムレット」って珍しいような気がするのは私だけかしら・・・
勿論ハムレットの苦悩が物語の中心なのですが、最愛の母と恋人オフィーリアという存在についての考察は女性ならではのものがあります。

本番をどうぞお楽しみに!

まだまだチケット絶賛発売中!!!


楽しい夏休みを!
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# by moriake | 2013-08-08 15:00 | 歌うこと

ハムマガ6

さぁ!オペラ「ハムレット」までいよいよ一ヶ月となりましたーっ!ハムマガもお陰様で6回目。
今回は原作に描かれていないオペラならではの名場面をご紹介いたしましょう!

049.gif「ハムレット」の聴きどころ「その9」 【第一幕 ハムレットとオフィーリアの愛の二重唱】
開演してから約15分後!すぐですよー!

喪が明けぬ間の母親の再婚によりハムレットは既に女性という生き物に不信感を抱いているのですが、オペラではオフィーリアの純粋な愛にハムレットは一筋の希望を持ちます。
彼女の真っ直ぐな愛を受け止め、ひとときの甘い時間を過ごすのです。
これぞオペラ!と言うにふさわしい、恋人たちの対話です。
「光を疑え!太陽を疑え!でも俺の愛は疑うな!」
ひぇ~!!ハムレット様カッコ良すぎ~・・・汗
はじめオフィーリアは「最近ちと冷たいやろ」とチクリチクリしますが
最後にはうっとりハムレットの腕の中です。

オペラのお約束のようなただの愛の2重唱と思われがちですが、このシーンは意外と大事です。オペラではオフィーリアが狂乱するに至る原因がハムレットの心変わり、ハムレットのご乱心のみということになっているので・・・(原作では父親が殺されるという事件がありますがオペラにはない!)ここでしっかりと強い絆を表現しておかないとその後のオフィーリアの嘆きがチープなものになってしまいます。また、このオペラ全編を通して唯一のロマンティけックな場面ですから、お楽しみに!
・・・そういえば、バリトンさんとの愛の2重唱は滅多にないかも・・・

このシーンでハムレットはオフィーリアに愛を誓ったにもかかわらず亡霊に出会ってからは
オフィーリアを拒絶し彼女を侮辱していきます。そして原作でも有名な場面「尼寺へ行け~!」になるわけです。
049.gif「ハムレット」の聴きどころ「その10」 【第3幕ハムレットと王妃とオフィーリアの3重唱】
この場面でのハムレットははっきり言って鬼です。
「アレー!ダンザンクロワートゥル!アレー!オフェリ!」
(尼寺へ行けー!行け!オフェーリア!)
オフィーリアはズタズタです・・・
この訳詞は定番の日本語訳で尼寺ですが修道院ということです。


あとは・・・悪役大王クローディアスの後悔のアリアは前回ご紹介しましたね。バス歌手の見せ場です!

あとは・・・ハムレットの学生時代の友人ローゼンクランツとギルデスターン。原作では王の手下のような鼻につく役回りで最後は陰謀に巻き込まれイギリスで処刑されてしまいますがオペラでは登場しません。

それから・・・オフィーリアの兄レアティーズは、父と妹をハムレットのせいで失い激怒。
原作では上手く王に丸め込まれてハムレットを殺すための決闘の相手となりますが、オペラではいよいよ決闘か!という瞬間にオフィーリアの葬儀の一行が通りがかり、決闘は中断され最後まで死なず幕となります。

因縁のノルウェーの王子フォーティンブラスも登場しません。

最後はハムレット王子が亡霊の指示するままに王を殺し「私が王だ!」
と言い切り幕となります。

この辺の場面は立ち稽古が進むにつれて面白いことになって行くのだと思います!
お楽しみに!

ではでは明日の稽古に備えて
おやすみなさ~い!
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# by moriake | 2013-08-01 01:51 | 歌うこと

ハムマガ5

前回オペラとして書き換えられた「ハムレット」に迫る!
なんて予告してしまいましたが、原作の芝居とオペラとの違いを問うことはトマのオペラにケチをつけることになってしまうのでは・・・という思いがよぎって今回はなかなか更新できませんでした。

とはいうものの・・・お芝居とオペラはそもそ違う種類の娯楽です。それぞれに適したテーマがあり、見せ方があります。作品は作られた時代の流行とともに生まれるものですから、その辺はあまり悲観せずに大らかな気持ちで取り組んでみようと思いま~す。

ハムハムハムハム

さて、まずは登場人物の紹介から・・・
主要キャスト4名はハムマガ2でお知らせした通りですがキャラ解説付きでもう一度!

★ハムレット、デンマークの王子(バリトン)・・・「ハムマガ4」を参照。
★オフィーリア、王の侍従ポローニアスの娘(ソプラノ)・・・「ハムマガ3」参照。

★クローディアス、デンマーク王(バス)・・・このオペラの唯一の悪役。女も権力も欲望を全て叶えるエネルギーを持つ肉食系ちょーわるオヤジ。そんな彼も兄を殺した罪を後悔する瞬間があります。バス歌手の低音の魅力が堪能できる1曲が用意されてます!私はソプラノなので詳しくわからないのですが恐らく相当低い音域を鳴らすテクニックがいるのでは!「魔笛」のザラストロ顔負けのアリア(ハムマガ2参照)です。
049.gif「ハムレット」の聴きどころ「その6」 【第3幕 王のアリア】

★ガートルード、王妃ハムレットの母(メゾソプラノ)・・・ズバリ女です!惚れた男のためなら何でもやっちゃいます。勿論良心の呵責に苛まれて最後まで苦しんでいます。特に最愛の息子ハムレットが思った以上に壊れてしまったことにとてもショックを受けてしまいます。ハムレットの嘆きがオフィーリアへの恋煩いであって欲しいと最後まで思い込もうとします。オペラ全体を通してとても悲痛な心の叫びを歌いますが、中でもオフィーリアに「おまえだけが頼りです。あの子を助けて!私を助けて!」と訴える場面は迫るものがあります。
049.gif「ハムレット」の聴きどころ「その7」 【第2幕1場 王妃のアリオーゾ●】
●オペラ入門講座:アリオーゾとはセリフをしゃべるように歌うのとメロディを朗々と歌うのの中間で歌うアリア

その他に・・・
★オフィーリアの兄レアティーズ(テノール)・・・彼は幕開きの王の結婚式のために留学先のフランスから戻りましたがハムレットに妹を託してすぐにフランスに戻ってしまいます。オペラではお国のためになぜか戦地にいくのですが。(049.gifハムマガ2参照)そしてオフィーリアの死の知らせでまた帰国。ハムレットに決闘を申し込みます。原作ではハムレットに父親を殺されるのでその怒りとオフィーリアを狂わせ死に至らしめたハムレットへの恨みが込められています。

★将校マーセラス(テノール)・・・ハムレットに前王の亡霊の存在を知らせる役目があります。ハムレットが宮殿の中で信頼している数少ない人物の一人。

★ハムレットの友人ホレイショ(バス)・・・オペラではマーセラスとペアで登場しクローズアップされない役ではありますが、原作ではハムレットの無二の親友であり、終幕すべてが終わった時にたった一人生きてこの事件の目撃者として務めを果たす重要な役です。全体を通じてギリシャ劇のコロスのような役割があり、観客と舞台をつなぐ人物。

★亡霊、デンマーク王ハムレットの父(バス)・・・代わって王となったクローディアスの兄。弟に命と王位と妻を奪われた恨みで亡霊となり息子に復讐を迫ります。初めはハムレットと仲間にしか姿が見えない。終幕再び登場する時には全ての者に見える状態でハムレットに復讐を実行させる。

★ポローニアス、王の侍従、オフィーリアとレアティーズの父(バス)・・・オペラでは脇役ですが、原作ではクローディアスの手下として国王の殺害に手を貸し王妃との結婚にも協力します。願わくば娘オフィーリアを王子と結婚させられれば完璧!と思っている大変な策略家である。原作ではハムレットと王妃の場面でカーテンの影でこっそり様子を伺っていたところハムレットに王と間違えられて刺殺されてしまいます。オフィーリアの狂乱はこの悲劇から加速することになるのですが、オペラではなんと!最終幕の幕切れまで生きています・・・汗
彼が「オテロ」のイヤーゴのようだったらかなりの迫力が出そうですが、そこまで悪人ではないので悪役はクローディアス王一人で我慢してもらいます。

★墓堀人1.2(バリトン&テノール)・・・大詰めでオフィーリアの墓を掘る場面があります。狂乱の場の直後に一見地味なシーンですがお芝居オペラ共に大変印象に残るところ。オペラでは「偉いのも金持ちも男も女も死んじまったらみんなおんなじよ。必ず番が回ってくるのさ。この世のことは全て虚しい!でも酒は別よ!人生は酒の中にある!」と土を掘りながら歌います。モーツァルトの「魔笛」の武士の2重唱のような雰囲気で私はとても好きです。
049.gif「ハムレット」聴きどころ「その8」 【第5幕1場 墓堀人達の唄】

とキャストを紹介しただけでこんなに長くなってしまいました。
残念ですが場面の解説は次回に!

ちなみに今回の「ハムレット」公演のリハーサルはちょうど音楽稽古を終了し立ち稽古に入るところです。
指揮者の岩村力さんをはじめ全てのキャストさん合唱の皆さんともお目にかかり、公演が楽しみになってまいりました!というより私たちキャストは暗譜地獄で苦しんでるところです・・・汗

「ハムレット」公演チケット絶賛発売中!!!!
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# by moriake | 2013-07-28 01:08 | 歌うこと

ハムマガ4

さあ!いよいよハムレット様に迫ります!まずは「ハムレットの狂乱の場」から!…って?狂乱は前回のネタでしょ?いえいえ!ハム君も狂乱してしまうのですよ!

失礼!正確には狂った振りをする・・・ですね。
前王である父の突然の死と母の早過ぎる再婚。
受け止めきれない事が重なる矢先
なんと父親の亡霊に出会う!
そこで真実を知らされ、怒りと悲しみが爆発します。
前王の亡霊から託された復讐…父の無念を晴らすには…
ハムレットは戴冠と婚礼の宴の夜に悪を炙り出す作戦を考えます。

049.gif「ハムレット」の聴きどころ「その3」 【第二幕フィナーレ】
〜ああ、耐え難い侮辱!錯乱しているぞ!〜

キャスト7人の7重唱に合唱が加わり激しいオーケストラが鳴り響く壮大なアンサンブル。
オペラ中盤の山場●となります。
オペラ初参戦の方へ//オペラでは二幕または中盤の休憩前に出演者総出演で大アンサンブルを繰り広げます。そこでは大事件が起きたり、ドラマの結末を暗示するかのようなスリリングな芝居が見られます。

ハムレットは旅一座の一行に今宵の宴を盛り上げてもらおうとある有名な芝居を演じるよう命じます。「老王ゴンザゴー殺し」。舞台は「ハムレット」の物語と劇中劇の芝居が重なり合って進行して行きます。オペラでは役者はパントマイムだけ。ハムレットが語り部となります。芝居の半ばで王が突然激しく動揺し出しました。
そうです!ハムレットは我が父を殺した非道な人間こそ、今ここで王冠をつけて座っている者だと確信しました。亡霊の言うとおりだったと・・・
ハムレットの狂乱した迫真の芝居は周りの者たちを恐怖に陥れ、祝宴は混乱の渦へと一転します。

このフィナーレに先立ってハムレットは「酒の唄」という威勢の良いアリアを歌います。
049.gif「ハムレット」の聴きどころ「その4」 第二幕ハムレットの「酒の唄」

フランス語では「バッカスの唄」となっていますのでここでの「酒」は「ワイン」です!
前場面で父親の亡霊に出会い復讐を誓い、景気付けに「友よ!飲もう!人生は短い!」と高らかに歌いあげます。モーツァルトのオペラ「ドンジョヴァンニ」にもドンジョヴァンニが歌う「酒の唄」がありますね。どちらもバリトンの主役が歌う見せ場として印象に残るところが似ています。そういえば亡霊も登場しますね。あちらは悪行を悔い改めさせるための亡霊ですが・・・

そしてハムレットには忘れてはいけない場面があります。
「生きるべきか死ぬべきか…それが問題だ!」
この名セリフ!もちろんオペラにもありますよ!

049.gif「ハムレット」の聴きどころ「その5」 第3幕【ハムレットのモノローグ】

フランス語では「エ~トゥル~ヌパゼ~トゥル~オ~ミステ~ル」
と歌いますのでお聴き逃しなく!(字幕が出ますからご心配なく!)

ハムハムハムハム

ハムレットの苦悩は一体どこから湧いてくるのか?
それは大人達の行い、または大人たちに操られる仲間への怒りや無念さからではないでしょうか。
王クローディアスの醜い権力欲。母王妃の女としての生き方への疑問、オフィーリアのあまりに盲目的な大人への忠誠心、友人たちの権力へ諂う姿。これらはすべて人間の弱さからくるもの。そこに憤りを感じていたのだと思います。しかしハムレットはヒーローではない。彼も弱く誰よりも苦しんでいる。
舞台は、物語と共に一人殺される・・・また一人殺される・・・と次々に登場人物が消えてゆき、最後はハムレットまでいなくなります(原作では・・・)。

原作ではハムレットは死を前に親友ホレイショにこのようなことを言います。
「もうお別れだ・・・お前はこの世に留まり皆に伝えておくれ!ここに至った一部始終を!」(抜粋)
そして一人残されたホレイショは因縁のノルウェーの王子にハムレット王子の遺言を告げる。
ハムレットにかわり王位に就くノルウェーの王子はこの惨事を真摯に受け止め手厚くハムレットを弔う。
婚礼の祝砲から始まったこの物語は弔砲によって幕となる。

う~む。暗い・・・

さ~て!来週のハムマガさんは~!(注:サザエさんの声で)

シェイクスピアの原作に流れるこの大きなテーマを踏まえて
オペラとして書き換えられた点について触れてみたいと思いま~す!


9/1日 神奈川県民ホール大ホール 首都オペラ「ハムレット」トマ作曲
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# by moriake | 2013-07-19 11:57

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